エピローグ

後片付けに追われる中、俺達はそれぞれに血糊を落とし、新たに用意された服に着替えた。
けれど、白い服はお互いに柄じゃないとガーディアンの正装に着替えてしまった。リィンまで...
「男同士の結婚式じゃないんだから...」
そういっても聞いてくれない。
「また奇襲された時にあんなもの着てられない。」
「おい...」
隣で母上も残念そうに見つめている。
「まあ、いいではないか。二度のドレス姿があれでは懲りるだろうって。」
珍しく親父殿が口を出す。ここで式を挙げるときは総帥が立会人になる。
「ジェイクもあれを着て戦ってみればいい。本当に動きにくいんだぞ?剣は腰に差せないから変なとこに隠さなきゃなんないし、大太刀でこられたら短剣やレイピアでは辛いんだぞ!」
「俺が着れるわけないでしょ?せっかく似合ってたのに...」
ぶつくさと押し問答してる間に人が集まってくる。ジェイクや リィンを知る者たちの集まりだ。そしてリィンの衣装をみて苦笑いをする。
「ほらみろ、みんな呆れてるぞ?」
「ガーディアンの正装だからおかしくないはずだ。」
「でもなぁ...」
『判ったよ、今度ジェイクの前だけだぞ?』
横に並んだリィンが耳元で囁くように返事する。
「えっ?本当!」
「外ではもう懲り懲りだからな...」
まもなくして始まった式の間中、リィンに着せたいものを頭の中であれこれと選んでいたのは言うまでもない。
それでもせめてもと渡された花束は、彼女がいつもつけているあの香りの花束だった。
『この花好きなんだ。ママ・ミレーヌがたくさん育てていた。』
「ガーディアンの俺達に家は必要ないかも知れない。いつでもお互いがいる場所がそうだから...でもここに帰ってくればたくさん咲いている、俺達が帰る場所はここだからな。」
任務がどうなるのかまだわからない。別の任務か、一緒なのか。休暇が一緒になるとは限らないかもだ。こうなったら早く総帥の仕事を覚えて、特別な任務以外リィンを外に出さないようにしてしまおうと密かに考えている。これはまだ誰にも内緒だ。

そうだ、俺達の帰ってくるのはここだ。いつでも、ここへ帰ってくればいい。
この花の咲く故郷へ。

Fin

あとがき
ジェイク&リィンシリーズ完結編です。最後までお読みいただいた方に感謝申し上げます。
つたない文章で、ファンタジーといいながらもちっともそうじゃなくて(笑)
けれど結婚したからといってガーディアンをやめない我侭?なリィン。また気が向けば外伝や番外編など書きたいと思っています。別枠での話も考えてます(もうほとんど書き上げております)が、アップの仕方に悩んでおります。請求制か別サイトを立ち上げるか...またそれは後ほどのこととして、本当に最後までお付き合い戴きましてありがとうございました。
2003.2.7   kuishinbo

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